話せない人

場面緘黙症と情緒不安定な日々

自分たちの気持ちを自分たちの言葉で表現する

自分が生まれた頃にネットはなくて、自分の存在は全く意味不明で、名前すら無いと思っていた。自分は重松清の『青い鳥』で、初めて場面緘黙症という言葉を知った。それはネットではなかったけれど、言葉を知ったことで情報が集めやすくなった。ネット上を見渡せば、自分と同じ境遇の人が実に多く居て、それにとても勇気づけられている。

緘黙症の人は、一般的にコミュニケーションが苦手で、人に自分の感情を伝えることが難しい。自分の気持ちを伝えることが出来ないから、いつまでも自分たちの待遇を変えることが出来ない。その障害によって、自分たち待遇を改善できない構造になっている。

自閉症なども同じで、一般人からみたら奇妙な行動でも、本人にしてみればそれには理由がある。けれども、症状が重いほど自分の気持ちを表現することができなくなる。

だからこそ、東田直樹さんや、GOMESSくんのように、自分たちの気持ちを表現できる人は貴重だと思う。

ネットのおかげで、ようやく自分たちの気持ちを自分たちの言葉で表現することが出来るようになった。それも、ただ言葉だけではなくて、音楽・漫画・小説など、より楽しめる形で。美しい音楽、おもしろい漫画は、商業的に売れるためだけではなくて、情報を拡散するという効果もある。

日本に生きていれば、周りは日本人ばかりで、同じような教育を受けて、同じような価値観を持っていて、みんなが同じであるような錯覚をしてしまう。けれども、世の中ははマジョリティだけで構成されているわけではなくて、実に多くの人がマイノリティの部分を抱えている。それが今まで抑圧されてきただけに過ぎない。

マイノリティが自分たちの境遇を改善するための手段を漸く持てるようになった。各々が情報を発信することによって、自分たちの力で変えていく力を持った。これから世の中は良くなっていくと思う。